特別座談会

「最強化3年計画」とありますが、これはどういう意味ですか?
  • 櫻井: 本校の生徒には、入学前から解剖学や生理学を学び始めてもらいます。つまり実質3.5ケ年で国家試験に向かうということなんです。
  • 小畑: 入学後すぐに基礎医学をスタートした場合、イメージが湧かないまま授業が進み、ついてこられずに諦めてしまう学生が多いという統計がありました。そこで本校では、入学前から専門的な教育をスタートさせ、入学後スムーズに学び始められる仕組みを作りました。高校と連携し、高校卒業までの約半年を有効に使えるようにしたんです。半年の差は大きいですよ。
  • 櫻井: 高校で医学のテキストを開くのは鼻が高いと言う生徒もいますね。入学前にマインドセットすることで、途中で離脱する生徒はいなくなりました。実際、今年の離脱者はゼロ。教員としては、入学前から生徒の個性を理解し、適切にサポートできる利点もあります。
  • 小畑: その効果は、結果的に国家試験の合格率にも表れています。国家試験は簡単ではありません。学生にしたら、あっという間の3年間だと思います。だから1年生の教育をどれだけ大事にできるかが肝なんです。生徒達にも、「スタートから2年生の前半までが、最も勉強すべき時期だ」と伝えています。なぜなら、2年生までに国家試験範囲の8割を学ぶから。2年の後期からは実習が増え、授業時間が減るんです。
  • 櫻井: 本校の1〜3割の生徒は2年時点で合格レベルに到達します。あとはどう成績を維持するか、どうレベルアップするかを考えています。
  • 小畑: 一つ一つの単元にはじっくり取組んでいるので、どんな大学にも負けない基礎力を身につけられると自負しています。だからこそ本気の学生が、本校を第一希望に選んでくれるんです。
ー授業自体にはどんな工夫があるのでしょう?
  • 櫻井: 授業で話を聞くだけでなく、自ら考え、小グループで意見を交わすアクティブラーニングを実践しています。また、時間外の「国試塾」も本校の定番になっていますね。
  • 小畑: 加えて、全国の大学・専門学校と連携した国試対策を行っています。学生達は、全国の教員の中でもその分野に強い先生の授業、最も面白くて質の高い授業をオンラインで受講できるんです。一校では足りない部分を相互に補い合える上、相乗効果で学生の志気も高まります。 また、VRを用いた最新の医療教育にも取り組み始めました。コロナ禍で思うように臨床機会がとれない中、VRなら、教師のすぐ隣の視点から360°患者さんを診ることができます。教科書では分かりにくい解剖学も、立体として理解できるんです。
  • 櫻井: そういう工夫を積み重ねて全国上位の基礎力を育てるわけですが、大事なのは、国家試験をゴールとは考えていないということです。
  • 小畑: 理学療法士・作業療法士のフィールドは病院・福祉だけではありません。経営をしたり、新分野を切り拓いたりしている人もたくさんいます。本校ではそういう外部講師の話を聞く機会を設けて、一段上のモチベーションを育てることを心がけています。本校には社会人経験者も多いので、経営学に触れられるのは+αのメリットじゃないかと思いますね。
  • 櫻井: そうですね。職能団体とのつながりも深いので、団体とのタイアップによって卒業後のスキルアップもサポートしています。
  • 小畑: 教育に完成形はないし、私たちの時代と今とではPT/OTを取り巻く状況も変わっています。学生の将来を第一に考えて、これからも教育を進化させていきたいと思います。

ページのトップへ